引越し退去時の費用は?原状回復をするポイントとは?

引越しとなると新居にまつわる費用を考えがちですが、馬鹿にならないのが退去時の費用です。

新居に関しての費用はこれからの生活に関わることなので割り切れますが、

退去に関する支払いはマイナスイメージを持つ人もいるのではないでしょうか?

住んでいるうちに付けてしまったキズの修繕費なども気になりますよね。

ここでは退去時に発生する費用の種類や、なるべく安く済ませるコツをお伝えします。

退去時の費用

退去時にかかる費用の種類

賃貸物件では、退去時の原状回復が原則です。

原状回復といっても、通常に生活していても生じてくる室内外の傷みは問題ありません。

例えば、日焼けによるクロスや畳の変色、家具の重量による凹みなどです。

 

しかし、汚れやキズといっても、タバコのヤニによる変色や何かをぶつけたために生じたキズは、

原状回復の対象となります。

入居人がタバコを吸ったりぶつけたりしなければ、生じないからです。

 

このように、原状回復するための費用としてかかるのは、

  • ハウスクリーニング費(掃除費)
  • 修繕費

ということになります。

 

でも、ハウスクリーニング費は本来入居者が負担するものではありません。

しかし、東京近郊の賃貸物件の9割以上で「ハウスクリーニング費は入居者が負担」という“特約”が結ばれています。

この場合、当然のことながら支払義務が生じることになります。

原状回復と敷金

この“特約”が結ばれていると、原状回復のためのハウスクリーニング費用が生じますね。

これに用いられるのが“敷金”です。

 

敷金とは、家賃の滞納や、原状回復に必要な費用が生じた場合に備え、

部屋の借主が貸主にあらかじめ預けておくお金のことです。

預けたのですから退去時には返還されますが、全額とは限りません。

原状回復の費用として使われてしまうからです。

ですから、部屋をきれいにして返した方が、敷金の返還額も多くなる可能性があります。

 

費用の相場

「○○円くらいが相場」と言い切れないのが、退去時費用の難しさです。

相場がはっきりしていないので、業者によっては強気の請求をしてくることがあります。

入居者が払うべき費用がどんな項目か知らなければ高額請求されても支払い、

知っていれば安く済む(…といっても正当なのですが)のが現実です。

自分の部屋の状況を良く見て、知識を仕入れておいた方が良いでしょう。

 

実際のところ、退去時の費用を巡るトラブルは多く、

これに関しては国土交通省よりガイドラインとして一定のルールが公表されています。

残念ながら法的な拘束力は持ちませんが、知っていれば必ず役に立ちます。

これをもとに、東京都がまとめたものもあります。

具体的な部屋のイラストが入っているので、わかりやすくおすすめです。

 

国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
東京都都市整備局『賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止 ガイドライン』
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-23-00-jyuutaku.pdf

 

また、国土交通省では、自然な消耗や経年劣化を数値化して計算できるように定めています。

ですから、特にキズを付けたりしていなければ、

長年住んでいても経年劣化の範囲となるので入居者の負担にはならないはずです。

…といっても、何が自然消耗や経年劣化に相当しないのか、わかりにくいですよね。

少し例をあげておきますので、参考にしてください。

場所貸主入居者
カギ負担破損・紛失の場合は負担
設備(風呂、トイレ、キッチンなど)経年劣化は負担破損、油・水垢・カビなどによる汚れは負担
壁・壁紙日焼けなどによる変色、画鋲・ピンの穴、冷蔵庫の熱による黒ずみなどは負担タバコのヤニ、落書き、結露の不始末によるカビ、釘・ネジの穴などは負担
床・畳日焼けなどによる変色、フローリングの艶の損失、家具の重量による凹みなどは負担食べこぼし等によるシミ、落下や激突による凹み・キズなどは負担

敷金を多く戻すコツ

上の表を見てわかるとおり、入居者の負担になるのは、入居者の過失・手抜きによる破損や汚損です。

このうち、破損に関しては自分ではどうすることもできない場合が多いですが、汚損に関しては取り返しのつくものもあります。

壁紙は住居用の洗剤を使って拭くと、ある程度きれいになります。

 

でも、多くの場合、次の入居者が決まるまでに張り替えることが多いので、

諦めてしまっても大した金額にはならないでしょう。

 

一方で入居者が変わってもそのまま使うキッチン・トイレ・風呂など、

設備関係が汚れたままだと清掃費として請求されます。

逆に言えば、掃除や手入れをこまめに行っていれば、請求されずに済むはずです。

残念ながら汚れていると感じたら、掃除をして水垢やカビなどは取り除いておきましょう。

なお、これら原状回復の費用は、前述の通り、敷金として預けてあるお金から差し引かれることになります。

敷金の返金額を増やしたかったら、設備関係のメンテナンスや清掃を中心に行っておくことが大切です。

 

そのため退去前には余裕をもって部屋全体の掃除をすることをおすすめします。

手間はかかりますが、その分敷金が戻ってくる可能性が高くなるならやらない手はありません。

詳しい掃除方法については別途、退去時の掃除、クリーニングの仕方ポイントを参考にしてみてくださいね。

必ず立ち会おう

引越しの際、荷物が出た後で不動産屋か貸主による“退去立会い”が行なわれます。

必ず立ち会うようにしてください。

前述のガイドラインがあっても、

それを無視して請求してくる悪質なケースや、

あいまいなルールのために自己流の解釈を押し通してくる業者もいます。

 

立ち合いが終了するとサインを求められますが、負担ヵ所に納得がいかなければサインに応じる必要はありません。

荷物をすべて搬出した時点で物件の明け渡しは完了しています。

原状回復の費用負担は別問題なので、後回しにしても大丈夫です。

問題になるのが嫌なら、立会時にチェックされた場所の写真を撮っておくと良いでしょう。

 

引越しの忙しさから、退去時の費用まで気が回らないというのはありますが、

通常の使用なら敷金は相応の金額が返還されるべきものです。

気おくれする必要もありません。

納得がいかない場合はガイドラインと照らし合わせ、きちんと主張しちゃいましょう。

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